2023年度の「社会環境学実験実習3」では、「“ワーケーション”にみる“働くこと”の多様性とまちづくり」をテーマに、洲本市との「域学連携」のもと、2泊3日でフィールドワークを行いました。域学連携事業やワーケーション推進事業に携わる市の職員の方、地元でワーケーションとまちづくりを推進しているNPOや事業者の方、洲本市が誘致した大手IT企業のワーケーション推進担当者などにお話をうかがうことができました。また、まちあるきをして市内のコワーキングスペースを回り、子育て世代の方にインタビューをしたり、商店街の方にまちと商店街の歴史についてお話をうかがいました。
以下は、実習に参加した3年生とTAさんのコメントです。
槇本さん:実際に淡路島に行って、現地の人へのインタビューや街歩きを通して洲本市の魅力を発見できました。実際にワーケーションをしている方は、従来の働き方とは異なり、人生の中に生活と働くことを両立するような新しい働き方を実践しようとしているのだと思いました。自分でもやってみたいなと思いました。市の職員の方へのインタビューからは、ワーケーションを推進する大変さも理解できました。
赤田さん:研究室で話し合っているだけでは分からないことが現地に行ってわかりました。肌で感じることは大切だということを実感し、とても良い経験になりました。
水野さん:なぜワーケーションをするのかを尋ねると、地元の人との交流が理由として上がることが多かったのが印象的でした。ワーケーションにあたって、なぜ地元の人と関わることが大切になるのか、今後その点について掘り下げてみたいです。
吉本さん:ワーケーションについてインタビューで聞かせていただいたお話を、自分も実際に洲本のまちを歩くことで実感でき、興味深かったです。ワーケーションの場所として洲本を選ぶ理由に「人」を挙げる方が多かったのですが、それがどういう意味なのか、人とのつながりが持つ意味やそれがもたらす効果とは何かについて、考えていきたいと思っています。
中本さん:3日目にまち歩きをしながら土地の人にインタビューをしていた時、駄菓子屋さんの店主のおばあちゃんにお菓子をもらったのが一番印象に残っています。「昔ながらの」商店街の雰囲気はこういうものだったかなと思いました。今回のフィールドワークでは実際にワーケーションしている方々にお話を伺いましたが、どこでワーケーションするのかの決め手は「人と人とのつながり」だとおっしゃる方が多かったので、こういうことも含まれるのだろうと思いました。ごはんが美味しくて、特にお刺身が美味しかったです。
石田さん:皆でインタビューをして同じお話を伺っても、それぞれの感想が異なるのが面白かったです。自分を知ることができたような気がしました。地域の魅力をとりたててアピールしなくても、その土地に来てもらえさえすれば愛着を持つようになるのではないかと思いました。フラッと訪れた土地や地域に入り込む経験を生じさせることが、関係人口の増加につながると思います。
仲田さん:淡路島の中で、北淡路と南淡路は今まで行ったことがありましたが、洲本を訪れるのは今回が初めてでした。洲本に行ってみると、まちの作りとして、中心地に人もモノも集まっており、魅力がギュッと詰まっているように思いました。域学連携やワーケーションの誘致といった新たな取り組みで関係人口を増やすと同時に、「レトロ・洲本」のまちなみやオブジェなども点在しており、新旧入り乱れた活気を感じました。フィールドワークの中で色々な方のお話を聴かせていただき、今の洲本の活気や雰囲気は、新と旧・内と外が交錯する中で醸し出されるものだと思いました。また行こうと思います。
まちを歩いてみること、その地でワーケーションする方やそこに暮らす方に話を聴いてみることを通して、働き方の多様性とまちづくりについて考察する契機となりました。コロナ禍を経て普及しつつあるリモートワークですが、単に職場の外で業務を遂行するのではなく、バケーションと組み合わせて働くという働き方が実際にどのような人々の間でどのように行われているのか、また、それが関係人口の増加と地域振興にどのように関わるのかについて知る貴重な機会をいただきました。
お話を聴かせてくださったみなさま、洲本市のみなさまに感謝いたします。
2023年12月 山田記